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HANDMADE in JAPAN
ojaga design

Text・福井 浩(BALANCE/CULTURAL VIBES)
2011年6月

解き放たれた自由な感性とこだわりの無さが生みだす真のオリジナリティ

HANDMADE in JAPANの記念すべき第一回目はojaga designを特集!

ojaga design
立川駅からバスで15分ほど。
海外のバイヤーにも広く名の知れたブランドのアンテナショップがこんなところにあるのか?と思わずにいられないロケーションにojaga designのフラッグショップはある。

ojaga designは、その独特なクラフツマンシップとプリミティブな感性が特徴の注目すべきレザークラフトブランドだ。
あたたかなハンドメイドの温もりと力強いクリエーション、そこはかとないルーツ感覚が幅広く認知され、鋭いコラボレーションが人気を呼び、全国に多くのファンを持つ。

トーキョーウエストサイド、中央線立川というローカルな地に本拠を置くojaga designが持つユニークな側面を紹介しようとすると、こんな表現になる。

・既成概念という存在さえも意識しないナチュラルな感性。
・あるがまま、思うがままのブランディングが生み出す成長というヒストリー。
・クラフツマンシップへのリスペクトと工業製品も否定しないフラットで自由な意識。
・ローカルとグローバルが共存共栄する新しいビジネスモデル。
・自分たちのやりたいことで新しい労働を産み出し、地域振興及び活性化にも貢献するコミュニティ的発想。
・子供と大人の境界線を取り払い、大人子供、子供大人が同じ土俵で楽しめる仕掛け。

ビジネス書のようなお固い言い回しはこのゆるくナチュラルなojaga designというブランドには馴染まないかもしれない。
しかし、そこにはまったく新しいブランドビジネスの概念、今の時代に失われつつあるクラフツマンシップへの思いとその復活へのヒント、そして地元に密着した熱い思いがあった。

華々しいファッションという面からは到底かけ離れた、辺鄙でローカルな地に突然現れたこの魅力的なブランドの初の路面店は、ojaga designのすべての商品ラインが手に取って確認出来、入手できるショップだ。
店の目の前には好対照なUNIQLO。
UNIQLOにクルマを停めた客が、あのお洒落な店はなんだろう?という感じで、フラッと寄って気に入って買って行く、ということもよくあるようだ。
気負いをまったく感じさせないその店の佇まいと存在感は、そのままojaga designのバックストーリーに直結している。

シンプルで心地良い内装の適度な広さの店内には、ojaga designならではのゆるく抜け感のある演出によるボリューム感溢れる商品展開。
よくお洒落な陳列の方法として、ミニマルでストイックさを敢えて強調した商品の並べ方をするショップがあるが、ここは真逆だ。

ナチュラルレザーの優しい風合いと見事に発色したカラフルなレザーが融合したたくさんの商品が並ぶ店内は、モノが語る饒舌な物語に満ちている。

そして、ショップの後ろ、カウンターの裏に開け放たれたドアからは、その物語が生まれ落とされる工房が垣間見える。
通常、物作りの現場は敢えて見せないというのが当たり前のファッション業界だが、このojaga designは違う。
あからさまにされた工房では、皮のパーツの染色、裁断、縫製、仕上げまでの一貫した作業が行われている。
そう、ojaga designは工房直結の直接生産型のブランドなのだ。

ojaga designの創立者であり、責任者でもあるジャガ氏は言う。

「アフリカでは今でも手作りでほとんどの物を作っている。マラケシュなんかは町工場や工房が至るところにあって、町の環境に物作りという文化が歴史とともに溶け込んでいる。日本も昔はどこでもそんなだった。」
マラケシュはojaga designの故郷の一つ、かつて生産のベースとなる工房があった場所だ。

ただ、産地へのこだわりのようなものはジャガ氏の言葉からは微塵も感じられない。
「どこで作るからいい、どの国の生産だからいい、ということは気にしない。どこで作ろうとモノが語ることがすべて。」
その時、その場所で作りたいから作る、といった根源的な自然の欲求に応じて変化してきたojaga designならではの言葉だろう。

「昔は誰も作ってないモノを作ってやろうという気負いがあった。今はそれが抜けてとても良いバランスになっている。」
「良いモノを作って、それを気に入って使ってくれる人が喜んでくれるのが一番。へんなこだわりは今はもう無い。」(ジャガ氏)
その言葉からは、すべてのこだわりから解き放たれた自由な感性から生まれる真のオリジナリティという、一見、矛盾するようなロジックが言い当てるojaga designの本質的な強みと自信が見てとれる。

ブランドの源泉が湧き出るジャガ氏のデスクの周りは、サンプルや美術書、古いオモチャやアンティーク、アフリカの工芸品などが雑然と置かれている。
中でもドラえもんの類は数多く、まるで子供部屋にでもいるような気がしてくる。
この無拓とも言うべきナチュラルなジャガ氏の感性が、このブランドの骨格だとすると、それに具体性のある肉付けをし、ビジネスとしての方向性を持たせる役割を担っているのが、ジャガ氏の右腕、菅野氏だ。

「今はブランドを知ってもらうということに重きを置いている時期。店で手に取ってもらうのが何より販促に結びつく。」
「取引先は既に数百店舗に上る。工房が整理されたことで量産体制にも安定感が出てきた。外にはまだまだ出て行きたいが、ここ立川のショップ周りの展開も同時に拡げていきたい。」(菅野氏)
「TAMIYAやGO HEMPなどとのコラボレーション企画のおかげもあり、コラボレーションやOEMの仕事はとても順調。お互い無理の無い関係でとても良いモノが作れている。」

ほとんどすべてのブランドに言えることだが、ブランディングの基本は、感性の企画面と方向性の営業戦略面が結び付いた時、幸福な発展を遂げる。
ジャガ氏と菅野氏のコンビネーションはその関係に非常に近い。

さて、TAMIYAの話も出たことではあるし、ここでちょっと目先を変えて、ojaga designが持つレザープロダクト以外のユニークな側面にも簡単に触れておこう。
これらの要素(プロジェクト?)は、ojaga designにとって故郷のようなものであり、ojaga designを語るうえで、またジャガ氏の頭の中を理解する上でも、非常に重要だ。

こころ商店

立川高松バイパス沿いにあるojaga design系列の駄菓子屋兼ミニ四駆パーツ店。
元々はこの場所で駄菓子、アフリカンアンティーク、アフリカ工芸品、古着などとともに初期ojaga designの商品が売られていた、という伝説の駄菓子屋。
その時も店の裏は工房。こころ商店を憩いの場として集まってくる小・中学生が店内と工房を自由に行き来していた。
現在も駄菓子、ミニ四駆パーツに的を絞って営業中。

ミニ四駆

こころ商店並びの天井高のある倉庫で行われるミニ四駆大会の会場。もちろんojaga design系列。
ミニ四駆大会はTAMIYAとの共催で行われる。
  50人ものファンが参加。
しかも、大会の運営はお客さん!というユニークさ。ゆるい!
ここも一時はojaga designの工房だった。

ojaga designのことだ、これからもこれだけに留まらず、もっと自由に独特の発想で新しい何かを見せてくれるに違いない。
「まだまだ新しいショップを作りたい。(ojaga designがあることで)店の周りがもっともっといろいろな店が増えて、お洒落になってきたら面白い。」(菅野氏)

ojaga designをojaga designたらしめている様々な要素は、
ジャガ氏の自分史そのものだろう。

アフリカ、TAMIYA、ラスタファリズム、ドラえもん、音楽、ジャンベ、ミニ四駆、子ども、お祭り、etc。

「日本じゃなかったら、こんなにいろんなこと知ったりできなかったでしょ。それだけでも幸せなこと。」
それらは日本という国で育ったからこそ、リアリティの有無に関わらず、見ることが出来たり、知ることが出来たのだ。
日本という世界にも類稀な物質文明の中で育ち、良くも悪くも無意識の中で享受されてきた、様々な要素。
一歩日本から外に出て、例えばアフリカから眺めた自分史に目覚めた時、趣味でしかなかったものが強烈な存在感をもってビジネスへの道を切り開き、クラフツマンシップを伴ったハンドメイドブランドへと変貌を遂げた。

これこそがojaga designの本質のような気がしている。

Website

http://www.ojaga.jp/

Head shop

5-1-2 Sakae-cho Tachikawa-shi Tokyo 190-0003
Tel:042-537-9666 Mail:info@ojaga.jp Open:Everyday Hour:10:00-20:00